現在の成人式は、満二十歳の男女が、振袖や紋付袴を着て集まり、成人のお祝い・儀式を行うものですが、古来の成人式は「成年式」と呼ばれ、男子は「元服」「初冠」、女子は「裳着」の儀式を指すものでした。
現在の成人式が始めて行われたのは、埼玉県蕨市といわれており、昭和二十一年十一月二十二日に「青年祭」という形で行われました。当時は戦後間もない事もあり、出席した成人の格好は、男子が戦闘帽子に陸軍や海軍の服、女子はもんぺ姿でした。
●元服
元服の「元」は頭・首を指し、「服」は着用するという意味があり、元服の儀式は、初めて冠を付けること、それを付けるために初めて髷を結う事を意味しています。
儀式の際に加冠役を担当する人は、身分が高く、栄誉に富んだ人に限られた特別な存在でした。
着物は成人服である「縫腋胞(ほうえきほう)」という黄色い装束に替わります。
●裳着(もぎ)
「裳」とは、十二単衣を構成する衣服の一つで、「裳着」とは成人して初めてこの衣装を身に付ける儀式です。
裳の腰紐を結ぶ「腰結いの役」は元服の加冠役と同様、最も重要視され尊徳のある高貴な人が選ばれました。
この儀式が終わると結婚できる資格が得られたため、結婚の儀式の一部でもありました。
●第一礼装は紋付羽織袴
・着物…黒羽二重
・羽織袴…黒羽二重(羽織紐は白) ※着物・羽織ともに染め抜き五つ紋を入れておくのが正式。
・帯…角帯
・足袋…白足袋
・草履…表の草履(慶事は白鼻緒・弔事は黒鼻緒になります。)
・扇子…末広白扇子
●袴のこぼれ話
①男子の袴には腰板がついていますが(女子袴にはありませ ん)、この形が完成したのは江戸時代以降のことなのです!
②袴のひだの数は5本であることが多いのですが、この数は 武道で大切な五常の徳(仁・義・礼・智・信)になぞらえているという説があります。
●振袖にだって種類がある!
・第一礼装…大振袖
大振袖の袖丈は114cm(3尺)前後。振袖の八掛は共八掛、着物は2枚襲ね(かさね)の着方で、裾には必ず綿を入れ、紋も入れるようにします。
・礼装…中振袖
中振袖の袖丈は90~102cm。八掛けは別八掛でもよく襲ね着をする必要もありません。現在成人式で着ている振袖の多くは、中振袖の形で袖丈の長さだけ大振袖と同じものになっています。
・およばれ…小振袖
小振袖の袖丈は70~80cmのもの。
●振袖の本当の意味
①振袖の「振」という言葉は魂を呼び寄せるという 意味、「袖」という言葉は、縁を意味して使われる ことが多く、昔は、女性が男性の求愛に対しての 返事を直接言うのではなく、着物の袖の振りか たによって決まっていました。左右に振ると「好き」前後に振ると「嫌い」という意味になります。
今日、男女間でよく使われる「振る」「振られる」と いう言葉は実はこの振袖からきているものなの です。
②振袖には「厄払い」の意味もあります。袖を振る ことで周りの人を清め、幸せを招くという意味があり、振袖を成人式や結婚式で着るのは、人生の晴れ舞台で身を清めるという意味があるようです。また、十九歳が女性の厄年であることから、この頃に振袖を誂え着ることで邪気を振り払う という意味もありました。
●「留袖」と手拭い
振袖は未婚の女性が意中の男性に気持ちを伝える手段としても使われていましたが、昔は袖をおとす年齢が決まっており(16歳~19歳)、縁につけなかった女性も袖をおとされてしまいました。
そこで、振袖を着れなくなった女性が、振袖の代わりとして代用したのが「手拭い」でした。女性が好きな男性に手拭いを贈るのは求婚の意味があり、現在でもお正月に手拭いを贈るのは、親しい人との長い付き合いを願ってのものと言われています。
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